鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~






 どうしよう、どうしたら・・・・・・!



「もう、一度ッ!!」



 彰さんが、再びその手に霊力の光を点す。


 そして、直りかけていた結界に向かって霊力の弾を連続的に撃ち込んだ。


 けれど・・・・・・。



「ああっ!!」



 結界に当たったそれは、霧のように分散して消えてしまった。


 どうしよう・・・・・・。


 壊れかけていた結界が、完全に元に戻ってしまった・・・・・・!


 何か、他に方法はないの・・・・・・?



「──応援を呼ぶか?」


 
 絖覇がキラリとマゼンタの瞳を光らせる。


 あたしはゆっくり頭を左右に振った。



「それじゃ、間に合わないよ・・・・・・。


 それに、彰さんや淀姫もいるんだ。


 なぜここにいるのか、説明しなきゃいけなくなる」



 ムギとの関係を、みんなは知らないはずだもん。


 ここにいるあたしたちで、どうにかして結界を突破しないと・・・・・・!



『──りん』



 え──?


 聞いたことのある声が、耳の奥まで響き渡る。


 ずっと、ずっと、長い間聞いていなかった声。


 大好きで、安心できる、柔らかな声。




「おかあ、さん・・・・・・!」



『そうよ、ゴメンね。 こんな姿で』




 涙が、自然と溢れてきてしまう。