鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~







「ええ、まあ」



 と、子犬のような顔を赤らめながら、再び頭を掻く彰さん。


 いやいやいや。


 そこ、照れるの!?


 すると、淀姫もそう思ったのか、尖った声で言った。



「彰、今はのろけているヒマはありませんよ。


 前を見てください。


 愛しの彼女が、闇に呑まれそうになっている」


 
 その言葉を聞いた彰さんは、ハッとした顔になって、ムギを見つめた。


 ・・・・・・淀姫が、彰さんを操縦している・・・・・・。


 やはり、姉上は強い・・・・・・。



「ムギを、助けなければ・・・・・・!」



 そう言うなり、彰さんは結界へと近づく。



「危ない! 結界はとても強力です!」



「っ! ああ、そうみたいだな」



 結界を睨んだだけで、彼はそう呟いた。