鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~







「・・・・・・とにかく、家の結界を強化するしか他にない」



 重い口を開いたのは、もちろんお父さんで・・・・・・。


 その言葉に、全員が頷くしかなかった。


 
 そして、今日はもう遅いから、お城に泊まっていくことになった。


 もうすっかり日は落ち、城下町はポツポツと明かりがついていて、とても幻想的。


 あたしの泊まる部屋からは、城下町が一望出来た。


 この島の下には、さらに街の明かりの幻想的な世界が広がっているんだろうか。


 
──ふわ・・・・・・。



 開いた窓から、柔らかく少し生ぬるい風が入り込んできた。


 その風に微かな薔薇の香りを感じた。


 これは・・・・・・城の庭から運ばれてきたのかな。


 窓辺は白い四角く切り抜かれた石で出来ていて、分厚くなっている。


 だから、あたしはそこに座ることができた。