鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 でも・・・・・・。



「もし、これが本当に魔物との戦いだったら、こんなの当たり前よ。


 気はいつでも抜いちゃダメなの。


 向こうは、こちらを容赦などなく──襲うの。


 本当に自分を守ることができるのは、自分だけなんだから。


 だから・・・・・・」



 あたしは、真剣に伯を見つめて言った。


 彼の瞳の奥は、わずかに怯えているように感じる。


 でも、これは真実だから。


 自分を、守るために心を強くさせないといけない。



「わかった?」



 さっきとは違い、明るい声で言う。


 すると、伯は俯いていた──かと思うと、バッと勢いよく顔をあげた。


 その顔はキラキラ輝いていて・・・・・・。



「りんちゃんすげー!


 なんであんなに速く動けるんだ?


 俺、全然身動きすら取れなかったよ」


 まさか、褒められるとは思ってなかった。