鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





「えっ・・・・・・!」



 まさかあたしが、壁を解くとは思わなかったのだろう。


 伯は、攻撃を止めてしまう。


 そして、ポカンとあたしを見つめた。


 その隙を──突く!


 あたしは素早く伯の後ろに回り、手に金色の霊力を点すと・・・・・・そのまま伯の顔を狙った。



「おい、りん──」



 絖覇の制止の声が聞こえた。


 そして、その直後。


 あたしの手は伯の鼻先──2ミリのところで止まっていた。


 伯の喉がゴクリと生唾を飲み込む音が聞こえる。



「あははっ! びっくりした?


 本当に殴るなんてするわけないじゃない」



「っりんちゃん! 驚かさないで!」


 
 よほど驚いたのか、伯はヨロヨロと座り込んでしまう。


 ありゃりゃ、驚かせ過ぎちゃった?


 ちょっぴり反省。