鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 そう言うと、彼女は──パアッと顔を輝かせた。



「やっぱり! そうだったんだ!」



「え?」



 彼女は、あたしの手をとるとブンブンと上下に振った。



「うわー、会いたかったんです!


 鈴姫の子供がいるって本当だったんですね!」



 彼女はとても嬉しそうだ。



「なに? 知り合い?」



 絖覇がのっそりとこちらを向いた。


 知らないという意味を込め、頭を左右にふる。


 周りの天使たちが、何事かとこちらに注目し始めた。


 余計に目立ってる!



「あのっ! お名前伺ってもよろしいですか? 


 あっ、私はキキ。


 お願いします!」



 彼女がバッと頭を下げると、縛らずに背中に下ろしたままの灰色の髪がサラリと揺れた。


 
「あたしは、りん、です」



 勢いに押され、気付けば名を名乗っていた。