鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 掴まれた腕が熱い。


 
「りん、まだお前は体調が悪いだろう!?」



「でも! ナトが!!」



 あたしがやらなきゃ、ナトが今度は倒れちゃう!



「離して!」


「イヤ」


 
 もう!


 なんでこんな時に我が儘なの?


 もー、強引に!



 あたしはムリヤリ絖覇の腕を振り払うと、ナトのもとへと駆け出した。



「くぁっ!」



──ズガン!



「ナト!」



 力が持ち切らなかったのだろう。


 魔物が全身に力を込めると、ナトはその力に押し負けてしまって吹き飛ばされ、近くの大木にその身体を打ち付けられた。


 クタリとして、ナトは動かなくなってしまう。


 頭を強くぶつけたんた!



「はぁっ!」



──ドガァ!



 霊力の弾をいくつも作り、魔物を攻撃する。


 けれど、魔物はその弾をまるで寄って来る蠅のようにうざったそうに大きな腕で叩き落とした。


 くっ・・・・・・!


 これだけじゃ、やっぱり効かないか・・・・・・。


 でも、どうにかして魔物を弱らせないと、今のあたしの霊力と状態じゃ浄化できない。