鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





「はぁ、っぁ、は」


 乱れる息を整えて、裏山にたどり着く。


 さっきあった一回の爆発のあとは、なにも起こっていない。


 もう10分くらい経ってるのに・・・・・・。



 ・・・・・・もしかして!


 この予想が当たってるとしたら、急がなきゃ!



 肩に懸けていた学校指定バックを、裏山の入り口に生えている大きな杉の木の下に絖覇と並べておいた。



 絖覇は眼鏡を外して、霊力を解放する。


 マゼンタ色の妖しい瞳が、ガラスの奥からあらわになった。


 ブワリと全身を絖覇の強い霊力が包み込んだ。



 もしかしたら、出没したのは一匹だけじゃないかもしれない。


 どこから何匹現れるかわからない。


 あたしたちは、警戒しながら森の中へと入っていく。


 薄暗い森の中は、何だか恐怖を一層駆り立てた。


 気分まで沈んじゃいそう。


 それでも何とか持ち合わせた勇気と気力を振り絞って、脚を前へと進めた。


 一気に、視界が開けると、そこは戦場と化していた。