鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~






「はー、疲れた」



「おいおい、大丈夫かよ。


 あんまムリすんなって言ったろ?」



「っ! そうだけど!


 大丈夫だよ!


 ちょっぴり、寝不足なだけ!」




「気をつけろよ!」



「はいはい!」




 今は学校への通学途中。


 あたしは魔物とかのことがあるから、絖覇と毎日登校することになっていた。



 (それより前でも、ほぼ一緒に登校してたけど!)



 まあ、そのせいであたしと絖覇の関係が疑われることとなってしまった。


 もう、否定するのもめんどくさいから、放置してるけど。



 最近は頻繁にムギに祈りを捧げている。


 早くお母さんを助けたいから、なんだけど、絖覇がやたらとそれを止めさせようとする。


 ・・・・・・たしかに、一回の祈りで結構な霊力を消費するし、誰にも言ってないけど、わずかながら体力も奪われてしまう。


 でも、お母さんを助けるためにあたしは・・・・・・!


 

「おい」


「っ!?」



 突然腕を掴まれて、ぐい、と絖覇の方に引き寄せられた。


 なに?



「道、そっちじゃねぇ」



 あらら、間違えてた?


 ボーッとしてたわ。


 
「へへへ、ゴメン。


 ありがと!」


 サッと絖覇の手を取って、走って行こうとする。


 けれど、その手を外すことも敵わない。



「りん、お前ムリしてるだろ。


 我慢するんじゃねぇよ」



「我慢なんてしてないよ。


 ほらっ! 急がないと遅れちゃう!」



「あっ、おい! りん!」



 本当の気持ちを悟られたくなくて、あたしは今度こそ絖覇の手を振り払うと学校へと走った。