あたりはもう薄暗くて
蝉の声もだんだん小さくなってきてた。
先生の車に乗って
河川敷へ向かう。
先生の車・・・
初めて乗った先生の車は
ダークグレーの中型車で
男の人らしいシンプルな内装だった。
「やべぇ〜。真北、今日私服で来れば良かったのに。制服の女子乗せるの、すげぇ罪悪感!」
先生の一言一言に期待してしまう。
生徒を乗せるのは初めてってこと・・・?
車を運転してる先生を見るのは
もちろん初めてで、
先生がすごく大人に見えた。
細く見えるのに
しっかり筋肉がついてる腕で
ハンドルを握る先生。
助手席からじゃ、癖っ毛の前髪で隠れて
先生の目は見ない。
黙ってたら、ほんとに落ち着いた
大人って感じで
さっきまで子供みたいに笑ってた
先生と同じ人とは思えない。
先生って、あごひげとか
似合いそうだなぁ・・・
先生の、トロンとした目、好き・・・
でも時々。
私を見てすごく悲しそうに
その目が揺れることがあるんだ・・・
そんな時は、すごく不安になる。
大人で、皆んなの憧れの先生が
突然小さい男の子みたいに見える。
なんでそんな顔するの?
大丈夫だよ・・・
ひとりじゃないよ・・・
そう言って、抱きしめてあげたくなんだ。
先生・・・
私、先生のこと
もっと知りたいよ・・・
先生の全部を知って、
守ってあげられる人になりたい。
