「で、今でたこの式にx=9を代入すると・・・ちょ、真北、聞いてる??」


「えっ、あ、え?!はい!聞いてる!聞いてるよ!」


「もー。自分から質問来たんだから、ぼーっとするなよなぁ。」


そう言って持っていたボールペンの先で、私の頭をツンツンとつつく先生。


幸せ・・・

先生、好き・・・

大好き・・・



放課後の教科室は人が居なくて
教科室 独特のコーヒーの香りに

春の匂いが少し混ざって

なんだか不思議な気持ち。


こんな素敵な空間で、目の前に居るのは


村瀬 航平・・・


私の、大好きな人。



「先生のボールペン、欲しい・・・」

「えぇ?ボールペン?ダメだよ〜、俺これしか持ってないんだから!」


そう言って優しい顔して笑う先生が。



好き・・・



先生、なんで先生は先生なの?


こんなに好きなのに、
どうして伝えられない先生なの・・・?


先生の、特別になりたいよ・・。