恐る恐る中に入ると、中はすごく広く、所々にソファや机があった。

それからほとんどの人が立って飲み交わしているのだろう、と察しがついた。

右奥にバーカウンターがあり、そこにグラスを拭いているセイジさんがいる。



「こんばんは…」


「あ、ユエちゃん!こんばんは。
 どう? 外観とか内装は気に入ってくれた?」


「はい、すごく綺麗でおしゃれですね」


そう率直な意見を述べると、セイジさんは嬉しそうに鼻歌を歌い出した。

……私、どうしたらいいのか教えてよ…。

内心そうツッコミを入れながら、その場に突っ立っていた。



「あ、そうだった。こっち来て、そこの扉がスタッフルームで、その中にユエちゃんのロッカーあるよ!
 中に制服も入ってるから、衣装室で着替えてきてね」


言われた通りにスタッフルームに入る。

案外広くて、ロッカーも意外と大きかった。


白いシャツに黒のズボンとソムリエエプロンが中に入っていて、それを着れば何故か私にピッタリ。

……ウエストもピッタリ…。