「ユエちゃん。表、OPENにしてきてくれる?」 「あ、はいっ」 まだ誰もいないホールを抜けて、外へと続く扉を開けた。 今日もまた雨…。 地上へと続く階段を登りながら、今日もまた彼らが来るのかと溜め息をついた。 『grab』の看板の横にOPENの札を掲げる。 『grab』の意味から目を背けて。