強がりから、そう言って安田の手を払おうとしたけれど。 「……ウソってわかってるよ? そんな強がらないで」 安田はニッコリ優しく王子様みたいに微笑んで、あたしの手をにぎる力を、痛くない程度に強くにぎった。 ……もうすぐこのジェットコースター最大の見せ場、急降下がやってくる。 だけど……安田が手をにぎっていてくれるから。 強がってても、本当の気持ちをわかってくれたから。 あたしは、安心してジェットコースターを乗りきれたんだ……。