「……へ?」



梨花ちゃんがそう言った瞬間。



あたしは思わず小さく間抜けた声をもらしてしまった。



幸い、だれにもきこえていなかったみたいだ。



でも、梨花ちゃんの言葉によって教室の空気がガラッと変わった。なんというか、ちょっと盛りあがったみたいな感じ。



「梨花ちゃんそれ本気?」



クラスの女の子たちがワクワクした感じできく。その間に安田は逃げたのか、教室からいなくなっていた。



梨花ちゃんはきょとんと首をかしげてから、パッとなにかを思いだしたみたいにうれしそうな表情をした。



「えへへ……だって梨花、すぐ恋しちゃう子だもん」



……いつの間にか、あたしの耳は梨花ちゃんたちの会話に釘づけになっていた。