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「美奈ちゃん、どうかしたの? 授業中ずっとぼーっとしてたけど」
休み時間。
席にひとりでいると、やってきてそう言ったのは安田だった。
「ああ……なんでもないよ」
チラッと小鳥遊さんのほうをみると、クラスの人や他のクラスの人たちに囲まれていた。
どうやら注目されているみたいだ。
そのあたりはわいわいと楽しそうで「どこからきたの?」とか「どこに住んでるの?」とか、そんな質問が飛びかっている。
「なんでもないって……本当?」
安田がちょっと疑ったような目でみてきた。
「ホントだって! ただ眠たかっただけだよ!」
思っていることがバレたらイヤだな、と思って元気に言ってみる。

