「お返し!」
そう言ってあたしは限界まで背のびして、誠の唇に一瞬、口づけた。
「……っ!」
さすがにこれには誠もびっくりしたみたい。
そういえばあたしから、あたしの意思でキスするのって……今まであったっけ?
「どう? びっくりしたでしょ?」
最近のあたし、誠と互角になってる?
だって昔はあたし、誠をびっくりさせることなんてできなかったし。
なんて、ワクワクしていたら。
「……覚えてろよ、桃花」
って言いながら、意地悪に口角をあげて誠が笑っていた。
本気だ、これ本気。
なにをされるものかと覚悟した。
……でも。

