でも、誠は口が悪くて不器用だけど、ホントはあたしのことを考えてくれてる。
それだけであたしは幸せなんだ。
ああ、あたしも早く誠にチョコ渡したいな……。
と、思っていたんだけど。
「……渡すチャンスがない」
放課後。
みんなが帰ったあとの教室で、あたしはひとりため息をついた。
あれから誠は休み時間になるたびに女の子たちに呼びだされ、まったく会うひまがなかった。
それで、チョコレートは渡せずじまい。
今も誠は女の子に呼びだされてどこかにいっている。
まあ、教室にカバンがあるから校内にいるってことはわかってるんだけど。
だからこうしてここで待ってる。

