なんて思っていると……本人のご登場みたい。
ろう下の奥から声がきこえてきた。
「みんな、順番は守って。一列に並んでね。……ありがとう、うれしいけど、気持ちだけ受けとっておくよ。……ありがとう。すごくおいしそうなチョコレートだね」
なんて、声。
そっと声のするほうをみてみると、すごい。すごい人数の女の子たち。
みんなチョコレートを手にもっていて。まるでアイドルの握手会みたいに並んでそのチョコレートを誠に渡している。
誠は受けとったチョコレートをそばに置いてある紙袋につめている。でも、その紙袋にももうじきチョコレートが入らなくなりそう。
「……あ、この紙袋じゃみんなのチョコレートが全部、入らないなぁ……。誰かもっと大きい紙袋もってない?」
「あ、それならわたしが!」
「いや、あたしが!」
「……ぼ、僕が!」
……ん、あれ、ひとつだけ低い声が混ざっている。……気のせいだと思いたい。

