と、なんなんだろうって思っていたとき。
パッと目の前が明るくなった。
なに? なに?
明るくなった原因は、どうやら木だ。
あたしたちのいる場所よりずっと向こうにある木が、光ってる。
木そのものが光ってるわけじゃなくて、そう、これは……クリスマスのイルミネーション。
赤や黄色、青色と、ちらちらあたりの色が変わっていく。
「キレイ……」
「でしょ? ここに連れてきたかったんだ。走らせちゃってごめんね」
「ううん、全然! むしろうれしいよ! あたしをわざわざ連れてきてくれて……」
ありがとう、爽太。
と思うと不意に。
「優しいね、美奈」
そう言ってちゅ、っと頬にキスをされた。
人前で、恥ずかしいな……でも。

