「梨花ちゃん、年上の執事の彼氏さんができたみたい」
「え、執事? 年上?」
あまりにも現実離れした言葉だからだろうか、誠はちょっと驚いていた。
「うん、梨花ちゃんお嬢さまだから……」
そんなことを言っている間に、梨花ちゃんたちはどこかへ行ってしまった。
「ふふっ」
でも、よかった。
ふたりとも幸せそう。
美男美女でお似合いだな……なんて思った。
「そうだよな、俺と桃花じゃ美男凡女って感じだもんな」
「凡女とか酷い! しかも自分で自分のこと美男なんてて……って」
あれ、あたしそんなこと声に出して言ってた?
「ん? あ、また声に出てたよ」
「また言ってたんだあたし!」
あたしの脳、大丈夫なんだろうか……。

