《梨花side》
「北上、次こっちね! このお店に入りたい!」
ショッピングモールを駆けぬける梨花のうしろを、北上が息を切らせて追いかけてくる。
あれ、ちょっと急ぎすぎた。
「ごめん北上、久々の外出だったからテンションが上がっちゃって……大丈夫?」
「だ、大丈夫です……」
北上が息を切らしてるのはたぶん、梨花が買ったものとか梨花の荷物を全部もって、梨花の全速力にあわせて走ってきてくれたからだ。
だって北上、荷物を全部もってくれるって言うんだもん……。
でもやっぱもってもらいすぎちゃった。
特にあれ、厚底ブーツを3足も買ったからなぁ……やっぱ重いか。
それにお洋服もたくさん買ったし……あと、パパへのお土産も……北上、自分と同じくらいの体積の荷物をもってる……。
「ごめんね、北上」
梨花は手を差しだす。
「やっぱ梨花ももつよ」

