手帳を手に取って、パラパラとめくってみる。
やっぱ中もオシャレ。花の写真がたくさん印刷されてて、しかも周りにはブランドオリジナルキャラクターのリリーちゃんまでいる!
値段を見てみると、あらこれはあたしでも買えちゃいそうな感じ。
……うん、いいかも。
もうそろそろ買おうと思ってたんだよね、手帳。
「誠、あたしこれ買ってくる」
「わかった」
あたしは近くにいた誠にそう声をかけ、レジに並ぶ。
人はけっこういて待ったけど、買った瞬間、なんだか幸せな気分になった。この手帳、大事に使おうっと。
「誠、お待たせー!」
そろそろここにいるのも飽きただろうし、次のところに行こう、そう声をかけようと思ったんだけど……さっき誠がいた場所に、彼はいなかった。
あれ、と思った瞬間。
「悪い、桃花。便所に行ってた。行こう」
と、横から声がした。誠だ。
「うん!」
あたしはうなずく。
その間に誠は時計をちらっとみたんだよね。そんなに時間が気になるのかな?
用事でもあるとか?

