「ひどい! あたしの話きいてないとかひどい!」
全部「うん」だけで答えるなんて!
「え、あ、ごめん」
大きな声で言ったからか、誠はやっとあたしの言葉が耳に入ったみたいで、謝ってきた。
「まったくもう!」
でも誠、そこまでなにに夢中になってたんだろう。
そう思ってそれから誠を注意深く観察していると、どうやら腕時計をしきりにみているのがわかった。
でも、なんで時計?
時間を気にするようなこと、あったかな……?
不思議に思いながらもあたしたちは電車に乗り、ふた駅先の駅で降り、ショッピングモールに入った。
「わーっ! かわいー!」
どうやらこのショッピングモールはクリスマスとかそういうイベントに力を入れているらしく、入った瞬間、キラキラした無数の飾りつけが目に入った。

