「誠!」



あたしは手をふりながら誠のもとへ走った。



「けっこう待ったでしょ」



「ううん、ぜんっぜん待ってないよ!」



「ならよかった」



誠がそう言った直後、手に温かいものがふれる。



誠の手だ。



わっ、わっ……これ、恋人つなぎだ!



きゃー恥ずかしーっ!



「なに? なんかおかしい?」



あたしがかあっと照れてる間、誠は余裕で笑っていた。



「もう、誠ってばとぼけちゃってさぁ……」



あたしが照れてるのわかってるくせに!