《桃花side》



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さて、秋は過ぎ去り。



もうすぐクリスマスがやってくる、ある冬の日のこと。



「えー! すごいっ! おめでとう!」



「あっ……ありがとう!」



恥ずかしそうにうつむく梨花ちゃんと手を叩いて梨花ちゃんを祝福する美奈ちゃんが、あたしの部屋にいる。しかも今は夜中の11時。



普通はこんな時間に女の子3人遊んじゃいけない気もするけど、今日はいいの。



なぜかといえば、今日はあたしの家でお泊まり会だから!



「なにそれすごい! 執事とお嬢様の恋とか少女マンガみたい! びっくりだよ!」



「へへ……実は梨花もまだ驚いてるの」



そして今は、梨花ちゃんの恋バナをきいてる真っ最中。