梨花の胸の中は今、ぐちゃぐちゃ。



恋って難しい……。



「……梨花さま？」



「……あ」



ぼーっとしてると北上に呼ばれた。



「どうなさいましたか？」



どこか悪いのですか、と優しくきいてくれる北上。



「ううん、大丈夫。ちょっと考えごとしてただけ」



「……そうですか」



笑って答えたのに、北上はどうしてか疑ったような表情をしている。



「……？」



なんでだろう？



そう思っていると。



「梨花さま。……少し、私とお話しませんか？」