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そして、放課後。



「お帰りなさいませ、梨花さま」



「ただいま」



家に帰ると玄関のところに北上がいて、すっと自然に梨花の荷物をもってくれた。



今、直樹は部活中。



直樹は結局、バスケットボール部に入った。



直樹はもともとバスケがうまいし、きっと上手にやっていけるだろうな。



だから、梨花はいつもひとりで帰る。もう直樹といっしょに帰る日は少なくなりそうだ。



ちょっとさびしいけど、まあしょうがないや。



「直樹さまは今日、部活中で……?」



直樹がいないことが気になったのか、北上がきく。



「そう。直くん……ううん、直樹はバスケットボール部に入ったんだよ」



あわてて言いなおす。



直くん、っていう呼びかたは。



梨花と直樹がまだうんと小さかったころ呼んでいた名まえ。