だから……。
「……そう、かもしれない」
ふわっとした感じにまとめておく。
「そっかー! 応援してるね!」
「……! ありがとう!」
神城さんに優しい言葉をかけられて思わず驚いた。
なんで梨花が驚いたのか、自分ですぐにわかった。
梨花は……中学のころくらいからずっと、女の子の友だちにイヤなことをされてきた。
優しい言葉なんて、かけてもらった覚えはない……。
でも、神城さんは、あまり仲がよくない梨花に優しい言葉をかけてくれた。
思えば桃花ちゃんたちと出会ったころもそうだったな。
桃花ちゃんたちからしたら当たり前っていうような優しさに、梨花はうれしくなって何度も泣きそうになった……。
ありがとう、と、もう一度こころの中でお礼を言う。
神城さん。桃花ちゃん、美奈ちゃん、爽太くん、誠くん、直樹。
そして……今までずっと梨花を支えてくれてた、北上に。

