「梨花ちゃん? どうしたの?」



「……え?」



あ、いけない。



自分が思った以上にぼーっとしてたみたい。桃花ちゃんが心配そうにしてる。



「大丈夫、なんでもないよ」



「そっかぁ。なにかあったらいつでもきくからね!」



桃花ちゃんはニッコリ笑って言ってくれた。



優しいなぁ……。



桃花ちゃんがみんなに好かれてる理由、なんとなくわかるよ。



「りーかーちゃん!」



不意にクラスメイトに話しかけられる。



前髪を一直線に切りそろえた、かわいらしい印象の女の子。



神城さんだ。