「ねえ安田、もうすぐ花火大会の時間じゃない?」



「……あ、ホントだ」



安田も自分の腕時計をみてつぶやいた。



「どの辺から打ち上がるのかなぁ?」



「あっちのほうじゃない?」



そんな会話をしながら、近くをぶらぶらと歩く。



……そんなときだった。



「美奈ちゃん」



安田が真剣な声音であたしの名まえを呼んだ。



「美奈ちゃん、急なんだけど……みんなで遊園地にいった日のこと、覚えてる?」



「あ……うん」



梨花ちゃんたちといっしょだった日のことだよね?



「じゃあ、そのあと俺が言ったことは……覚えてる?」



安田がちょっと不安そうにきいてくる。