直樹も梨花に気づいたのか、手をふってくれた。
「直樹!」
よかった! 気づいてくれた!
直樹がたったとこちらにかけよってきてくれる。
「よかった、北上もいっしょだったんだ」
「うん!」
梨花が答えたあと、北上がペコリと直樹に頭をさげる。
「ありがとう、北上」
「いえ。……では、私はこれで」
北上がそう残して去っていく。
そっかぁ、パパが家で甘いもの楽しみにして待ってるもんね……って想像したらちょっとおもしろかった。
「梨花……ごめんね」
「……え?」
不意に直樹に謝られて、驚いた。
「なんで?」

