「安田、かっこいいよ」



安田が着てる着流しのほうが断然いい!



普段はみられない安田のレアな姿にあたしはドキッとした。



なにを着てもかっこいいのに、浴衣を着るとさらにかっこよくなる……!



「はは、ありがとう」



名まえのとおり爽やかに安田が笑ったところであたしたちは歩きだした。



「すごい混雑してるね……」



この地域一番の規模のお祭りだからか、とにかく人が多い。



しっかり安田のこと追わないとはぐれちゃいそうだな……。



「すごい人だね」



あたしの言葉に安田が返してくれた。



「うん」



「……じゃあ」



安田がふわっと笑った瞬間。



「……え?」



安田が、あたしの手をにぎっていた。