《美奈side》



さて、今日は夏祭りの日。



あたしと安田は夏祭り会場の神社の前で待ち合わせすることにした。



そして、時間の五分前に待ち合わせ場所に向かうと。



「あ、美奈ちゃん!」



こちらに向かって手をふってくる安田がいて。



「お待たせ! 早かったねー!」



あたしは慣れない下駄をカラカラ鳴らしながら安田のいる方へ走った。



「あ、浴衣きてきてくれたんだ」



安田があたしをみて言う。



「うん……」



「かわいいね」



あたしが今日きてきたのは、黒色の生地にピンクの花柄がプリントされた浴衣。



でも、あたしよりも……。