「わーきれーい!」
お祭りはたくさんの人でにぎわっていて、夜ということもあってかたくさんの樹がライトアップされている。
それに屋台もいっぱい!
「あたし屋台のために夜ごはん少なめにしてきたの!」
「子どもか」
そう言って笑う誠の手を引いてあたしが真っ先に向かったのはわたあめの屋台。
あたし、今でもわたあめ作る機械のしくみが不思議でしょうがないんだよね。砂糖を中心に入れてくるくるわりばしで回すとポンってわたあめができるんだもん。
屋台のお兄さんがわたあめを作るときぼんやり考えた。
「はい、どーぞ」
「ありがとう!」
お兄さんが差しだしてくれたわたあめを受けとり、まずひと口。
しゃりっていう食感のあとに甘い味が広がって……おいしい!
「誠も食べる?」
「んー、俺はいいかな」
こんなにおいしいのに?

