「絶対きてきてよーっ!」 「さあどうかな」 誠はそう言ってフッと笑う。 なによ、あたしをそんなふうにからかっちゃってー! それでもあたしは「おねがい」っていう視線を誠に送った。 すると。 「桃花が浴衣きてきてくれるんだったらいいよ」 「やった!」 あたしは思わず手を叩いた。 あたしの浴衣姿とかおやすいご用だもん! 思わずふふっと笑っちゃう。普段とちがう誠をみられるってことが、すっごくうれしくて。 早く夏休みがきてくれないかな、ってあたしはひそかに期待した。