直くんはリビングのソファに座って本を読んでいた。
「あ、梨花ちゃん。起きたんだ」
「うん。もー、置いていかないでよね!」
「ごめんごめん」
直くんは読んでいた本をソファの近くのテーブルに置くと、梨花をみた。
「さっきはごめんね。大丈夫だった?」
「ああ、もう心配しないで。大丈夫だから!」
そう言ったけど、直くんは眉間にしわをよせる。疑ってるみたい。
「もう、そんな顔してたらせっかくのかわいい顔が台なしだよ?」
「えー、せめてかっこいいって言ってよ!」
「梨花にとって直くんはかっこいいじゃなくてかわいいなの!」
だって直くん、女の子みたいに色白いしうっかりしたら梨花よりもまつ毛長いし、髪の毛ふわふわなんだもん。
「かわいいお洋服きたら絶対にお人形さんみたいになるよ!」

