「……梨花?」
急にだまった梨花をみて不思議に思ったのか、直樹が心配そうにきく。
「ごめん……梨花」
直樹は自分のせいで梨花に思いださせたことを申し訳なく思ってるふうだった。
「ううん、いいの。直樹は梨花のこと心配してくれてただけだし……」
直樹は優しい弟なんだもん。
でも……しん、とした空気が梨花たちの間を流れている。
梨花は目のはしにたまった涙を直樹に気づかれないようにそっとぬぐうと、さっきみたいにわざとはしゃいで、しんとした空気を壊した。
でも……思いだしたの、久しぶりだなぁ。
彼はホントに、梨花の自慢の彼氏だったんだよ?

