「……あ、ありがとう」 そっとつぶやいてみる。 「……え? なんて言った?」 でも、安田にはきこえなかったみたいで。 「もう一回いってくれる?」 「だから、あ……」 「はい、では恐怖の旅へどうぞー!」 いい加減に中に入らないあたしたちにしびれを切らしたのか、入り口のお姉さんがそう言った。 「あ、はーい! ……爽太くん、いっしょに行こう?」 梨花ちゃんが楽しそうにそう言って、安田の腕を引っぱっていく。