「ねー爽太くん、あれ乗ろう!」



梨花ちゃんが、お客さんの入れ替えのためにとまっているメリーゴーランドの白馬を指でさした。



「うん、いいよ」



梨花ちゃんは安田の返事をきくと、安田の腕を引っぱっていった。



「……美奈ちゃん、大丈夫?」



うしろから桃花が近づいてきて、耳もとで小さくそう話しかけてくれる。



……心配させるわけにはいかない。



「え、なんのこと?」



だからあたしは、サラッとそう返した。



……うん、大丈夫。いつものあたしにみえてるはず。



うん、みえてる。みえてるよ。