「見失わないように早くいこう!」



梨花ちゃんが走りだす。



「うんっ!」



あたしも走りだして、誠のほうへ向かった。



「誠ー!」



気づいてくれますように、と大声で誠に呼びかける。



すると誠が、驚いたような顔でこちらを向いた。



「桃花!」



誠があたしの名まえを呼んで、たったとこちらへかけてきてくれた。



「よかった……無事で」



誠がにっこり笑う。



……あれ。