「え、でも……」
梨花ちゃんは大丈夫なの……?
そう思ったところで。
「直樹ーお待たせ!」
と、遠くからパタパタとだれかがかけてくる音がした。
それは、まぎれもない。梨花ちゃんの声だった。
「あれ、桃花ちゃん!」
梨花ちゃんはすぐにあたしに反応した。
「どうしたの?」
と、ちょっと心配そうな目できいてきてくれる。
「あ、うん。実は……」
あたしは、誠と爽太くんと美奈ちゃんと4人でこの遊園地にきたこと、そして道に迷ったこと、スマホを置いてきてしまったということを話した。
すると、さすが姉弟なのかなんなのか。
「じゃあ梨花がいっしょに捜してあげる!」
と梨花ちゃんまで言ってくれたんだ。

