「あたし……友だちと4人で来てたんだけど、はぐれちゃって。……いま捜してるの」 「そうだったんだ! 僕は梨花ときてたんだけど、今ちょうど飲みもの買いにいっててさ」 直樹くんはカラッとしたふうに笑って言う。 でも、急に真剣な顔になって。 「でも大丈夫? 連絡はとった?」 ……どうやら、あたしを心配してくれているようだ。 「あ、連絡は……その、スマホ置いてきちゃって」 「災難だったね」 じゃあ、と直樹くんはつづけた。 「いっしょに捜してあげるよ!」