「失礼します。
蓮田さん、奥さんの事でお話が...」
「向井先生...分かりました。すぐ行きます。
葵、父さん先生とお話してくるから、母さんと一緒に待ってて。」
そう言って父は"向井先生"という人と一緒に病室を出ていった。
「ねぇ、お母さん。
葵ね、本当は病院あんまり好きじゃないの。変な匂いするしぃ、暗くて静かだしぃ、それにお友達もいないんだもん。お母さんも早くお家に帰れるといいのにね!」
「...そうだね。お母さんも早くお家で葵とお父さんと一緒に過ごしたいなぁ。...葵は学校にいっぱいお友達いるの?」
「うん!いっぱいいるよ!!あゆみちゃんでしょ〜、ゆきちゃんでしょ〜...んーと、他には...あ!あとタケルくんもだ!!」
指をおって友達の名前をどんどん言っいていく娘を母は嬉しそうに...けど、どこか寂しそうに笑って見ていた。

