あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~


そう言って笑うと、永岡くんは「ありがと」と言って下を向いてしまった


「・・・」


無言の時間が流れる


自分で話をふっておいて、このあとなにをいえばいいのか分からない


野球の話、するんじゃなかったな…


私がそう思っていると、突然永岡くんが


「無理に笑わなくていい…」


と言った


「え…?」


「・・・投手、もうできないかもしれないんだろ?」


永岡くんが知っているはずのないことを言われ、少し困惑する


「なんでそれを…」


「さっき、山内さんのお母さんが電話してる内容が聞こえて…
盗み聞きするつもりはなかったんだけど、ごめん…」


「そっか…。
・・・全然大丈夫だよ。
どうせ、諦めなきゃいけないときが来るんだし、それが少しはやまっただけだから」


そう言って私はもう一度笑った


「笑うなって…」


笑うな…?


「じゃあ、どうすればいいの…?!」