あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~


「はあ…」


私は大きくため息をついた


みんなで小さいとか言っちゃってさ


結構気にしてるのに…


「まあ気を落とすな史花。こいつの方が小さいぞ!」


永岡くんを指さしながら、門ちゃんが言った


「お、おい!言うなって!」


永岡くんの顔は真っ赤っか


また門ちゃんの犠牲者が出たな…って、え…?


「永岡くん、私よりも小さいの?」


「143cmだとよ!」


143cmって…


私より2cmも小さい!!!


「わ、私も人より小さいしね!別に小さくてもいいよね!」


とか言いながら、実際私よりも小さい人がいてすっごく嬉しい


「おーい。顔がすっげー嬉しそうだぞ」


啓にそう言われる


「そ、そんなことないもん!」


私は急いで緩んだ顔を隠し、普通の顔に戻した…んだけど、やっぱり笑っちゃう


「おーい」


啓にそう言われて、また私は顔を元に戻す


「だ、だってさ!私の周りって私よりも身長高い人ばっかだからさ…その…さ…」


啓なんて私より15cmも高いし…


私はそう言って少しふてくされたような顔をした


すると、啓はニコッと笑って私の頭にポンッと手を置き


「いいじゃん。小さくても。俺は可愛いと思うぞ?」


と言った


「・・・ほんと?」


「ほんと」