「やった!! 」
「・・・イチャイチャのところにはなにも触れてくれないのね」
「してないもん」
私がそう言うと、門ちゃんは隣にいる永岡くんに「してるよな?」と聞いた
「・・・」
「永岡?」
「あ、えと、うん。そうだな」
「だろー?」
門ちゃんはそう言ってケラケラと笑った
「そんなことない」って言いたいけれど、今はそれよりも1点とれたことが嬉しくて
自分も早くあそこに立って、投げたいという思いが強くなる
パシッ
「スリーアウトチェンジ!」
「おし!守備行こうぜ!」
みんな1点とれたことでやる気に満ちていて、とても楽しそうに見える
そんなみんなに
「この回、きちんとおさえてこいよ!」
と笑顔で言う永岡くん
「すげーな…あいつ」
啓にそう言われ、私は小さく笑って
「うん」
と返した
すると啓は「まあ、絶対に渡さねーけど」と言って、グラウンドに走って行った
渡さない?
「・・・って、なにを?」
