あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~


「よしっ!」


私はそう言って小さくガッツポーズをした


あとは…


5日間、ずっと喋りにくかった


けど、もうそんなの嫌だ


「啓!」


「・・・なに?」


低い声で冷たくそう返す啓のほっぺをパンッ!と両手で挟み


「シャキッとしなさい!」


と言う


「なにす…「いつもと違うから…!」



「いつもの啓に戻ってよ…!!」


今までずっと隣にいたから、突然いなくなると、まるで家族が1人居なくなったみたいで


怖くて


自分の何がいけなかったのかよく分からなくて


ずっと不安だった


「・・・分かった。分かったから笑え!



そう言って啓はいつものように私の頭を撫でた


「・・・うん」


「おいこら。お前らがイチャイチャしてる間に1点返したぞ!」


門ちゃんにそう言われる


・・・1点返した?


「ほ、ほんと?!」


私はそう言ってスコアボードを見た


するとそこには、2回表のところに、はっきりと 1 と書かれている