だから5月からは200回に増やそうかなと思っているところ


「48!49!50!
終わった〜…」


私がそう言うと、私と同じく素振りをしていた啓も終わったようで


「ちょっと早いけど、今日は終わるか」


と言った


私はそれに「うん」と返し、啓に送ってもらって家に帰った


家に帰ってからはすぐにお風呂に入って汗を流し、ご飯を食べにリビングに行くと、そこにはお父さんが帰ってきていた


お父さんである 山内 和也 ( やまうち かずや )は、16年前、青南高校が甲子園で優勝したときの正捕手で、高校卒業後ドラフト1位でプロ入りしてからはずっと、プロ野球チームである オードファルト の正捕手として活躍している


私はそんなお父さんが大好きで、私が野球が大好きなのはお父さんの影響でもある


「史おかえり」


そう言ったお父さんに ただいま〜 と言ってお父さんの隣に座る


「今日の練習どうだった?」


早く帰ってきて、私と話す時間があると、お父さんはいつもこのことについて聞く


私は、剛先輩に空振りさせたことと、永岡くんのすごさを少し興奮しながら話した


私の話が終わると、お父さんは少しにやけた顔で


「史花はその子のことが好きなのか?」


と言った


「・・・ち、違うよ違う!
確かに凄いなとは思うけど今日初めて会ったばっかりだし永岡くんのことなにも知らないし!!」


私がそう言うとお父さんは へ〜 と言ってまたニヤッと笑った


「とにかく違うから!勘違いしないでね!」


「あーはいはい」


そう適当に返すお父さん


「ちょっと和也!史花をからかわないの!」


お母さんがそう言ってお父さんの頭を軽く叩いた