「おい剛。次は俺だからな」
ブンッッ！！
隣でものすごい音をたててバットを振っている翔さんがそう言った
「わーってるよ！俺だってまだ4球しか投げてもらってねーだろうが！！」
「・・・打ちたい」
そう言って翔さんはまたバットを振る
「だから待てって！」
「打ちたい…」
「あの2人、またやってる…」
私はそう言って ぷっ と笑った
こんな光景にもだんだんと慣れてきた頃
「向井先輩！じゃあ俺のところでバッティング練習しませんか？」
私の隣で投げていた永岡くんが突然、翔さんにそう言った
翔さんは一瞬 ん？ と言う顔をしたあと何かに納得したように
「ああ。いいぞ」
と言ってニヤッと笑った
それを見て、永岡くんもニヤッと笑い、翔さんが打席に入ったのを確認すると一礼して投球動作に入った
さっきプルペンで見た時もそう思ったけど、永岡くんのフォームは絶対に怪我をしない
